​『包 -TsuTsuMu- 』

〜漆とガラス破片を組み合わせた唯一無二の器​〜

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1.驚き

『包 -TsuTsuMu- 』を初めて見た時、漆とガラス組み合わせや、少し凸凹したフォルムに驚かれると思います。

2.戸惑い

ガラスに漆を塗った器だと思われる方が多いので、「ガラス破片を使っていて、ガラス以外の部分は主に漆だけで形作ってあります」とお伝えすると、「どういうこと?」「確かによく見れば、何か変わってる」としばし戸惑われます。

 

漆は塗料として素地(木、紙、ガラスなど)に塗られることが一般的ですが、『包 -TsuTsuMu- 』の漆部分には素地はありません。

漆を20回以上塗り重ねたものです。

(ガラス破片との接続部分には、補強のため漆に加え地の粉を使用)

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3.緊張

 

薄さ1mmの口縁が薄い(1mm)ため、手に持つ時、壊してしまうのではないかと緊張が走り、恐る恐る手を伸ばされる方がほとんどです。

4.安心

 

でも実際に手に取ると、意外と丈夫だと安心されます。

口縁部分は漆だけの構造体のため、しなやかな強さを持っています。

少しの緊張感はあるものの、安心感が広がってきます。

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5.一体感

 

握ると、手に吸い付くようなしっとりとした漆の質感に加え、素地を持たない構造のため、どこか柔らかささえ感じます。

そしてガラス部分が作り出す凹凸が指にかかり持ちやすく、自分の指にあった場所探しを、無意識に楽しんでしまうことでしょう。

6.豊かな時間

 

飲み物を注ぐと、内側に施した金箔がさらに輝きを増します。

光の屈折が変わり、外側からガラス越しに見える景色も変わります。

ガラス越しにちらりと確認できる飲み物の色。

ガラス部分だけ光が透過する照明の光。

 

漆だけの薄い口縁は優しい口当たりで、まるで体温を持っているよう。

唇が触れた瞬間の、気持ち良さを残しつつ、存在感を消し、飲み物に主役の座を譲ります。

口を離すと、再び存在感を取り戻し、また口をつけたくなります。

目で愉しみ、手で愉しみ、唇で愉しみ、飲み物を愉しむ。

飲むという行為そのものが気持ちいい器。

豊かな時間を演出する器。

 

『包 -TsuTsuMu-』